第102回医師国家試験 C問題 問4 [102C4]

102C4
異状死と認めた場合,いつまでに所轄警察署に届け出なければならないか.

a 直ちに
b 12時間以内
c 24時間以内
d 1週間以内
e 翌月の10日まで




正答は【c】です。


[a] 誤り。一類〜四類感染症+一部の五類感染症を診断した医師は、"直ちに"、その者の氏名、年齢、性別等を都道府県知事に届け出なければなりません。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法) 第12条「医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を、第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。

[b] 誤り。届出ではありませんが、精神科領域における入院形式である任意入院や医療保護入院、応急入院の緊急時、特定医師(←精神保健指定医ではない)の診察の上、12時間以内の退院制限をかけることができます。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 ※条文は省略。

[c] 正しい。異状死(体)の届出は「異状あり」と判断してから"24時間以内"に行わなければなりません。医師法 第21条「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。

[d] 誤り。多くの5類感染症を診断した医師は、"1週間以内に"、その者の年齢、性別等を都道府県知事に届け出なければなりません。感染症法 第12条「医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を、第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。

[e] 誤り。母胎保護法による人工妊娠中絶を行った医師は、"翌月10日まで"に、理由を記して、都道府県知事に届け出なければなりません。母胎保護法 第25条「医師又は指定医師は、第三条第一項又は第十四条第一項の規定によつて不妊手術又は人工妊娠中絶を行つた場合は、その月中の手術の結果を取りまとめて翌月十日までに、理由を記して、都道府県知事に届け出なければならない。



異状死(体)の届出における制限時間を問うた問題です。

正答は「24時間以内!」と即答して回答終了ですね。


他の選択肢をみると、各時間にもある程度意味がある数字であることが分かります。

人工妊娠中絶における"翌日の10日まで"なんてすごく特徴的な文言ですよね。


届出に関して"12時間以内"というのは、私が調べ得る範囲では見つかりませんでした。

解説の通り、精神科領域での入院で"12時間以内"という言葉が出てきます。

12時間って、、、本当に短いですからね。。



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