120C72 77歳の女性。熱傷のため救急車で搬入された。 現病歴:本日、自宅の風呂場から叫び声が聞こえ、息子が様子を見に行った。熱湯に患者の下半身がつかり、身動きがとれなくなっているところを発見され、なんとか浴槽から引きずり出された。息子が救急車を要請した。 既往歴:軽度認知症を指摘されている。高血圧症と糖尿病で降圧薬、血糖降下薬を内服している。 生活歴:息子と2人暮らし。 家族歴:特記すべき
120C45 85歳の女性。左大腿骨頸部骨折で入院中である。2週間前に人工骨頭置換術が施行された。病棟看護師から、容態が急変したと連絡があった。担当医らが直ちに病棟に駆けつけて蘇生術を行ったが死亡した。ベッド脇にいた看護師が「点滴の側管から誤って消毒液を注入してしまった」と泣きながら説明した。左前腕部の点滴挿入部から肘部にかけての皮膚に、紫色の血管網がみられた。 死亡確認後の対応で正しいのはどれ
120B7 死亡診断書・死体検案書の死因の種類が「不慮の外因死」になるのはどれか。 a 喉頭癌による気道閉塞 b 脳梗塞後の誤嚥性肺炎 c 餅を喉に詰まらせた窒息 d 肝臓癌破裂による汎発性腹膜炎 e 出血性胃潰瘍による出血性ショック 正答は【c】です。 [a] 誤り。直接死因は気道閉塞による"窒息"(=外因)ではありますが、その窒息の原因(=原死因)は喉頭癌という疾病(=病気)です。従って、死

興奮性せん妄 [Excited Delirium (ED)]

「警察官が興奮状態になって暴れる容疑者が取り押さえていたところ、容疑者が急死した」そんな海外のニュースを目にしたことがあるかもしれません。法医学の世界では、これを「興奮性せん妄」と呼ぶことがあります。実を言うと、世界中でもまだまだ議論に尽きない疾患概念です。(むしろ日本では議論さえされない...)なので、今回書くこともあくまで「まだまだ議論の余地がある内容」だと理解した上で読んでほしいです。【興奮
令和7年度が始まりました。それと同時に、厚生労働省が毎年出す"死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル"も改訂されました。今回の記事では、令和6年度のものと比較しながら、新しく出た令和7年度版のマニュアルをみていきたいと思います。実はなんと、今年は厚生労働省が各機関宛てに改訂内容を通知しています。その変更点一覧は下記の通り。...以上です!では素っ気ないので、各変更点を実際のページ画像とともに見てい
2025年3月25日発売 1760円 [1600円+税] 三笠書房 (出版社URL)『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』B6判 全248頁 (著者:高木 徹也)「え、こんなことで人生終わり!?」大切な人を突然失わないために知っておきたい高齢者の「まさか」の死因について。パンで死ぬ/トイレできばって死ぬ/エアコンで死ぬ/性行為で死ぬ/薬の包装シートで死に
2025年3月発売 3520円 [3200円+税] 医歯薬出版 (出版社URL)『死因究明の科学 法医学的アプローチから見る生命の終焉』A5判 全156頁 (著者:大澤資樹)法医学の現場から解き明かす,生と死の境界線●法医学の第一線で活躍してきた著者が,その豊富な経験と知見をもとに,突然死や児童虐待,孤立死など,法医学が関わる様々なケースを丁寧に解説.●生と死の境界線から脳死,医療事故,災害時の死
58歳の男性。発熱と意識障害のため救急車で搬入された。現病歷: 昨日38.0℃の発熱があったため仕事を休み、市販の解熱鎮痛薬を内服して自宅で様子をみていた。今朝はベッドで横になったままで呼びかけに反応がなかったため、家族が救急車を要請した。〜略〜血液培養採取と同時に静脈路を確保し、輸液と抗菌薬投与を開始したが、血圧が低下した状態が続いている。119C64集中治療が継続されたが患者は入院4日目に死亡
119C4758歳の女性。既往歴に特記すべきことはない。昨日、交通事故で死亡した息子の通夜があった。息子の傍にいたいと言って棺が安置されている部屋に行ったまま、朝になっても帰ってこないのを不審に思った夫が部屋に行ったところ、棺内に上半身を入れた状態で死亡しているのを発見した。死因で考えられるのはどれか。a トルエン中毒b 硫化水素中毒c 一酸化炭素中毒d 二酸化炭素中毒e ホルマリン中毒正答は[d
119C3998歳の女性。家族から呼吸が止まったと往診依頼があった。5年前に脳梗塞を発症し、3年前から寝たきりとなり、訪問診療を受けている。本人の意向で積極的な治療は行わずに在宅看取りの方針であった。1か月前からほとんど食事が摂れなくなり、体重が減少してきた。2週間前から傾眠状態となり、ここ数日は体を揺すっても反応がなかった。本日未明に依頼があり、早朝に往診した。家族によると 4時間前に呼吸が止ま