前回の死蝋化と順番が逆な気もしますが、今回は"ミイラ化"について書いていきたいと思います。
この"ミイラ化"は、"白骨化"や"死蝋化"と同じようにご遺体の終着点のひとつです。
エジプトのミイラなどが皆さんにとってはイメージしやすいでしょうか。
仏教における即身仏もミイラの一つと言えます。
ここでの"ミイラ"とは『水分が失われ乾燥した状態のご遺体』を言います。
皮膚は"革皮様化"というなめし革のように硬くなっています。
腐敗が進んでしまうとミイラ化には至りませんので、下記のような環境条件下が必要です。
・乾燥している
・風通しがよい
・比較的高温である
まさに砂漠のような環境です。
(※ちなみに死蝋化の条件は『湿潤+空気の通りが悪い』でした)
ご遺体の水分が50-60%まで下がってくると腐敗の進行が抑えられますので、このような条件が必要になるというわけですね。
その他、脱水傾向のある栄養不良者や乾燥が進みやすい小児ではミイラ化が進みやすいと言われています。
条件が揃えば、成人で2〜3ヶ月、小児で2〜3週間ほどでミイラ化は完成します。
ですが、実際のところはどうしても内臓では腐敗の方が進んでしまいますし、ミイラ化したご遺体を専門に損壊する虫もいますので、完全なミイラというのは意外と思っているほど出会う機会は多くありません。