第120回医師国家試験 B問題 問7 [120B7]

120B7
死亡診断書・死体検案書の死因の種類が「不慮の外因死」になるのはどれか。

a 喉頭癌による気道閉塞
b 脳梗塞後の誤嚥性肺炎
c 餅を喉に詰まらせた窒息
d 肝臓癌破裂による汎発性腹膜炎
e 出血性胃潰瘍による出血性ショック





正答は【c】です。


[a] 誤り。直接死因は気道閉塞による"窒息"(=外因)ではありますが、その窒息の原因(=原死因)は喉頭癌という疾病(=病気)です。従って、死因の種類は"病死"となります。

[b] 誤り。肺炎も疾病ですし、その原因も脳梗塞であり、全体を通して一貫して"病死"と判断できます。

[c] 正しい。窒息の原因は「お餅を喉に詰めた」という外的要因のため、"外因死"と判断されます。(この場合、⑥番の"窒息"となります)

[d] 誤り。腹膜炎の原因である肝臓癌は疾病なので、"病死"と判断できます。

[e] 誤り。出血の原因は胃潰瘍という疾病なので、"病死"と判断できます。



"死因の種類"、特に"(不慮の)外因死"の判断に関する問題です。

死因の種類は、「最も死亡に近い原因から、医学的因果関係のある限りさかのぼって疾病か外因かで判断」することが求められます。

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死因欄の一番上を"直接死因"、一番下を"原死因"と言います。(※死因欄が1つの場合は、【直接死因=原死因】となる)

死因の種類は、この原死因が、『疾病(≒ 病気)か?外因か?』で決定されます。

つまり「原死因が病気であれば"病死"」「原死因が外因であれば"外因死"」となります。

あとは、それを念頭に問題文を読めば、答えは自明ですよね。問題自体は簡単です。


さて、ただ例えば[d]ですが、肝臓癌の破裂の原因が「転倒によって腹部を打撲したこと」が契機となっていれば、、、これは"外因死"となります。

同じように[e]でも、出血に至る胃潰瘍が、NSAIDsの多量内服によるものであれば、これも内服という外的要因に基づいた死亡→"外因死"と判断されます。

本問題では、詳細な背景が書かれていないので、単純に記載されている文言から判断すれば良いですが、そういったバックグラウンドがあるようなら、「これは外因死ではないか?」という確認は重要です。


また誤嚥性肺炎について。

【誤嚥性肺炎】を外因死だと勘違いしている方もいらっしゃいますが、それは誤りです。

誤嚥性肺炎は、ICD-10上では[J69]という呼吸器疾患のグループに含まれています。

従って、単に【誤嚥性肺炎】とだけ書かれている場合は"病死"です。お間違いなく。


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