学術集会を好きになる

令和3年度の第105回法医学会総会は、残念ながらオンデマンド配信形式となりました。

本当に心から残念です。。

というのも、私は学術集会(学会)が大好きだからです!


臨床も含め、学会を嫌っている人は多い気がします。

「行くのが面倒くさい」
「つまらない」
「人前に出るのは緊張する」
「質問されるのが嫌だ」

いろんな理由があるかと思います。


そんな中、私が学会を好む理由を中心に今回は書いていきたいと思います。

皆さんもこれを読んで少しでも「学会も良いかもなぁ」と思えたら嬉しいです。



最大の理由は『最新の知見を知れるから』だと思っています。


学会では多くの法医学者が研究結果や教育症例を発表します。

難しい内容も多々あるのですが、私は事前に抄録を読み込んで、知らない言葉や分野は下調べして行きます。


そして可能なら"質問"したい...!

会場の雰囲気に負けて私もなかなか質問できないのですが笑、本当は気になることをたくさん質問したいですねぇ。

もう少し法医学で顔が広くなればゆくゆくは...なんて夢見ています。(※別に顔が狭いから質問してはいけないわけではありません)



そうして人様の発表を聴くだけでも知識は増えますが、もっと深く味わいたいのではあればやはり「自身が発表者になる」これに尽きますね。

発表テーマは自分で決められるわけですから、

「もっと知りたい!」
「もっと広めたい!」

と自身が思うことを発表して、オーディエンスの反応を伺えます。


なので、個人的に『質問されるのが嫌だ』と思ってしまうのはもったいないと思ってしまいます。。

確かに嫌~な質問の仕方や言い方をしてくる先生がいるかも知れませんが、それは貴方が悪いのではなく、その先生が悪いだけので気にすることは全くありません。(聴いている人はそれが分かってますのでご安心を)



臨床医学では大きな医局でのカンファレンスがあると思いますが、法医学では小さな教室の中でしか議論ができません。

気付かないうちに、偏った考え方や見方をしてしまっていることもあるはずなんです。

私はそれがいつも不安なんですよ。。

ですので、私は毎回全国の法医学者の先生方からご意見が欲しいと思ってます。



と偉そうなことを言っておきながら、私も毎回きっちり緊張していますよ笑。

上手く伝えられるかな?
噛まないかな?
発表に興味を持ってもらえるかな?

そんな不安もありますが、前述の不安の方が嫌なので。

これはきっと"慣れ"なので、頑張って経験値を増やしていきたいですね。



あとおまけ的に、

・会場に展示される最新機器
・興味深いランチョンセミナー(とその際のお弁当)
・知り合い法医学者との再会
・盛り上がる懇親会
・会場周辺のグルメ
・開催地域の観光

こんな楽しさもありますよね!

毎回全部楽しみにしてます。



私もお手伝いした経験がありますが、"学会の開催"って本当に大変なんですよね...。


参加者は「あーめんどくさー」みたいな感じなのかも知れませんが、主催側は、、、

・1年以上前から会場を予約
・参加者のお弁当や懇親会の手配
・記念講演や招待講演のアポイント
・抄録集の作成、事前送付
・参加料等の管理
・応募演題の採択と整理、提出物の確認
・座長の依頼
・記念品の選定
・会場備品のチェック、機器の準備
・案内、受付
・片付け

これ以外にもまだまだやらなければならないことがたくさんあります。

本当にほんとーに大変です。


今回も、ここまで頑張って予定してきたのに、直前に変更というのは、主催者側もかなり辛いはずですよ。。

先が見えない中、周りからは難しい判断を求められ、

一方からは「さっさと中止しろ!」
もう一方からは「会場開催が絶対!」

こんな板挟み、私には耐えられません。。


法医学はデリケートな画像や情報も出てきますから、私自身は安易はオンライン開催は避けるべきだとは思っています。

そんな特殊事情も法医学にはありますし。


今回のこの対応をあざける人はきっとそんな陰の努力が理解できていないんだと思いますね。



私は今回を含めこのような学会参加の機会を作ってくれている全ての方々に感謝ですよ。

このようなご時世ですから、なかなか満足な学会が開催できないのは残念ではありますが、またいつもの学会が開けることを心待ちにしたいと思いますね!

皆さんはちょっとでも学会が好きになれましたかね?

学会好きな法医学者が増えていくと嬉しいですね。