第92回医師国家試験 A問題 問13 [92A13]

92A13
診断した医師に届出義務があるのはどれか.3つ選べ.

a 覚せい剤中毒
b ボツリヌス菌食中毒
c アメーバ赤痢
d 結核
e 死産




正答は【b, c, d】です。


[a] 誤り(=診断医に届出義務はない)。覚醒剤中毒に関しては診断医の届出義務はありません。麻薬中毒(=麻薬、大麻又はあへんの慢性中毒)は、"麻薬及び向精神薬取締法"第58条の2によって届出義務が定められています。

[b] 正しい(=診断医に届出義務はある)。"ボツリヌス症"は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)で"四類感染症"に指定されています。同法第12条で診断医の届け出が規定されています。

[c] 正しい(=診断医に届出義務はある)。"アメーバ赤痢"は感染症法における"五類感染症"に分類されています。厳密には"感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則"という厚生労働省令によって指定されています。

[d] 正しい(=診断医に届出義務はある)。"結核"は感染症法で"二類感染症"に指定されています。ちなみに、結核に関しては感染症法の第九章として、追加事項が別に章立てて記載されています。

[e] 誤り(=診断医に届出義務はない)。"死産"の届出義務は"診断医"ではなく"父"が行うよう、死産の届出に関する規程(厚生省令)で定められています。



各種届出義務に関する問題ですね。

「覚醒剤中毒は診断医に届出義務がない」
「各種感染症法で指定されている感染性疾患には届出義務がある」

これを覚えていれば回答はできた問題だと思います。


感染症法の指定疾患は、前述の厚生労働省令のものも含めるとかなりたくさんあるので、過去問に出てきた感染症を覚ればいいと思います。

間違っても、全てを覚えきる必要はないでしょう。

昨今で言うなら、"新型コロナウイルス感染症"が、二類感染症である"新型インフルエンザ等感染症"に含まれていることは常識的に知っていてよいかも知れませんね。(※令和4年8月現在)


[e]の死産の届出がやや細かな知識でしょうか。

死産を診断した場合であっても、実際に届け出るのは"父"となっています。

もし父が届け出できない場合は、"母"がすることとなっており、

母による届け出も難しい場合は、

1 同居人
2 死産に立会った医師
3 死産に立会った助産師
4 その他の立会者

の優先順位で届け出する義務があります。(第7条)

従って、厳密に読み込むなら、父・母・同居人による届け出が困難な場合なら、死産に立ち会った医師(≒診断医)に届出義務が出てきます。

ちなみに、死産届を提出する際は、死亡届と同様に、"死産証書"もしくは"死胎検案書"を添えて提出する必要があります。



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