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輸血後C型肝炎から肝硬変になった入院患者が,食道静脈瘤破裂に基づく大量出血により急激に血圧が低下して死亡した.
死亡診断書の死亡の原因欄の直接死因として正しいのはどれか.
a 輸血後C型肝炎
b 肝硬変
c 門脈圧亢進症
d 食道静脈瘤破裂
e 急性心不全
正答は【d】です。
[a] 誤り。
[b] 誤り。
[c] 誤り。
[d] 正しい。
問題文を参考にすると下記のような書き方が求められているようです。
画像にあるように、1番上の欄が"直接死因"ですので、[d]食道静脈瘤破裂が正答となります。
[e] 誤り。"疾患の終末期の状態としての心不全"の記載は避けるよう求められています。従って、本症例では書かないようにします。
大学の講義としてはメジャーな死亡診断書・死体検案書の書き方問題です。
ただ択一式試験として出題しようと思うと微妙な問題になってしまうんですよね...。
そもそも死亡診断書の書き方は必ず一通りになるというわけではないので、残り4つを明らかな間違いの選択肢にしなければならないのです。
そうなると、逆に簡単過ぎる問題になってしまい...。
という苦労があるのです。笑
基本的な死亡診断書の書き方は、厚生労働省が毎年発行している"死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル"を読めばほぼ全てが書かれています。
(→参考リンク:厚生労働省ページ)
しかし、前述のように、これを読んだとしても、全国の医師が同じご遺体を診ても必ず1通りの書き方になるわけではありません。
死因の書き方・ルールは決められていても、死因の判断はあくまでも個々の医師に委ねられているのです。
今回の問題でも、私なら直接死因は"出血性ショック"あたりを持ってくると思いますし。
ですので、ここはあくまで国試的に考えて、選択肢を俯瞰し、
「この選択肢の中なら、最も上に来るのは"食道静脈瘤破裂"かな!?」
という思考回路で回答してよいと思います。