93A42
乳幼児突然死症候群〈SIDS〉について正しいのはどれか.2つ選べ.
a 女児に多い.
b 1~2歳児に多発する.
c 突然の外因死を含む.
d うつ伏せ寝を習慣とする児に多い.
e 解剖しても死因が不明である.
正答は【d, e】です。
[a] 誤り。SIDSは女児より男児に若干多いと言われています。男女比は約3:2。
[b] 誤り。SIDSは原則として1歳未満の児とされます。1歳以上での発症は限られており、その場合の診断は慎重に行う必要があります。
[c] 誤り。SIDSを診断するには、明らかな外因死等は除外されている必要があります。従って、SIDSには突然の外因死は含まれません。
[d] 正しい。"うつ伏せ寝"はSIDSの有名なリスク因子の1つです。他のリスク因子には"妊婦および養育者の喫煙"や"非母乳保育"などが挙げられます。
[e] 正しい。SIDSは「解剖しても原因が不明である」というのが診断基準になっています。
乳幼児突然死症候群・SIDSに関する問題です。
分かっていないことも多く、難しい疾患です。
しかし、逆に国試的にはその中でも限られた「SIDSについて分かっていること」についてしか出題されませんので、問題としては要点を押さえていれば得点できると思います。
具体的には、過去問を演習しつつ、
・SIDSの疾患概念
・SIDSの疫学
・SIDSのリスク因子
ここを押さえていれば十分でしょう。
SIDSは、学生の皆さんにはもちろん、一部の小児科医を除いて臨床医の先生方にも馴染みのない疾患だと思います。
ですが、法医学者にとってはかなり重要な疾患です。
医学生さんにはしっかり知っていてほしいですね。