93A43
異状死でないのはどれか．

ａ　オートバイにはねられ，破傷風で死亡した．
ｂ　肺癌で入院中，トイレの中で死亡していた．
ｃ　パラコートを誤嚥し，間質性肺炎で死亡した．
ｄ　救急来院の1時間後に急性心筋梗塞で死亡した．
ｅ　来院時心肺停止〈CPAOA〉のまま死亡が確認された．




正答は【d】です。


[a] 誤り(＝異状死である)。「外傷を発端とした病死」であり、異状死体と判断できます。

[b] 誤り(＝異状死である)。入院中における「原因不明の死亡」なので、異状死体と判断した方が良さそうです。

[c] 誤り(＝異状死である)。「外因(＝農薬の誤嚥)による死亡」であり、異状死体と判断できます。

[d] 正しい(＝異状死でない)。急性心筋梗塞の経緯がはっきりしませんが、死因は特定されており、この選択肢の中では[d]が正答に最も適していると思われます。

[e] 誤り(＝異状死である)。「原因不明の死亡」であり、異状死体と判断できます。



異状死体届出に関する問題です。(類似問題：85A98, 89A8, 92A11)

『異状死体＝確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体』

と考えると、[d]についても「確実に診断されたのか？」というツッコミはあるかも知れませんが、

それ以外が明らかに正答としては不適なので、回答自体は容易いかと思います。


調べてみると、「異状死体として届出の"必要がない"ものはどれか？」という問題が"必要がある"より圧倒的に出題回数が多いです。

これはやはり、正答として「このケースは異状死体としての届出の必要がある！」となると、いろんなところからツッコミが出てくる可能性があるからでしょうか...。

国家試験を作るのも簡単ではありませんね。