第95回医師国家試験 E問題 問7 [95E7]

95E7
死体検案書について誤っているのはどれか.

a 人の死亡を医学的に証明する.
b 死亡届に添付される.
c 死因統計の資料となる.
d 検案をした医師が交付する.
e 歯科医師も交付できる.




正答は【e】です。


[a] [c] 正しい。死体検案書・死亡診断書の意義は、死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルにも大きく2つが記載されています。

①人間の死亡を医学的・法律的に証明する。
②我が国の死因統計作成の資料となる。

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[b] 正しい。"死亡届"は↓のように死亡診断書・死体検案書と一体化しており、一緒に役所へ出す形となります。

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[d] 正しい。死体検案書は検案医が交付し、死亡診断書は診断医が交付することとなっています。検案や診断を行っていない病院長などに交付する資格はありません。

[e] 誤り。"死体検案書"を歯科医師は交付できません。"死亡診断書"に関しては、医師同様、「自らの診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと 認める場合」つまり、『(歯科医師の場合は) 自身が生前に診療していた歯科疾患に関連して死亡したと認める場合』に限り交付が可能です。



死体検案書に関する問題ですね。

大変常識的な問題なので、そこまで難しくはないでしょう。

特に議論の余地もない問題なので、死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルを一読すれば回答には十分かと思います。


死亡診断書や死体検案書を作成・交付するのは、院長ではなく実際に診断や検案を行った医師ですので、そこは間違わないようにしてくださいね。

再発行する際も、事務が勝手に転記して交付してしまうのではなく、きちんとその診断医や検案医の責任の下で発行する必要があります。


また[e]の「歯科医師は"死体検案書"を交付できない」というのも有名な話です。

元々は、歯科医師による死亡診断書の交付すら認められていませんでした。

その後、(歯科疾患に関する死亡者の)死亡診断書に関しては限定的に解禁されたという経緯があります。

しかし、この際に"死体検案書"については歯科医師法に追加されませんでした。

従って、仮に"死因が歯科疾患に関連したご遺体"であっても、死体検案書のケースでは歯科医師の場合は交付できないということです。

法医学では、解剖後に発行するのが全て"死体検案書"ですので、この点は法歯学者の先生方にとっては少し不満な点かも知れませんね。。



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