96E9
死亡診断書の「死因の種類」欄が「病死」でないのはどれか.
a 脳梗塞に伴う誤嚥性肺炎
b 解離性大動脈瘤の破裂
c 肺結核による喀血
d 胃潰瘍からの大量出血
e 転倒による頭部外傷
正答は【e】です。
大前提:"死因の種類"は「原死因が疾病か?外因か?」によって判断していきます。
[a] 正しい(=病死である)。原死因は"脳梗塞"です。疾病(≒内因性疾患)ですので、死因の種類は"病死"です。
[b] 正しい(=病死である)。原死因は"解離性動脈瘤"です。ごくまれにその解離が外因によって起きることもありますが、問題文に言及されてないことから、内因性と判断すべきのようです。試験回答上では△といったところでしょうか。
[c] 正しい(=病死である)。原死因は"肺結核"です。肺結核は疾病のため、死因の種類は"病死"です。
[d] 正しい(=病死である)。原死因は"胃潰瘍"です。もし胃潰瘍の原因が例えば"NSAIDs"の慢性内服であれば外因性(つまり外因死)と判断される可能性はありますが、[b]同様にそこは言及されていないため、一般的な内因性胃潰瘍と判断した方がよさそうです。
[e] 誤り(=病死でない)。原死因は"転倒(による頭部外傷)"です。これは明らかに外因ですので、死因の種類は"病死"ではありません。
"死因の種類"に関する必修問題です。
・"死因の種類"は「原死因が疾病か?外因か?」によって判断する
・原死因は、原則として「I欄の最下欄の傷病に記載されている傷病」のこと
これらを理解できていれば、正答はそこまで難しくなさそうですね。
ちなみに、正答の[e]において「実際に死因の種類が何になるか?」は、今回の問題文からは判断できません。
"転倒"が単なる事故(例えば、階段の踏み外し)だったのか? →【3. 転倒・転落】
他人に突き飛ばされて転倒したのか? →【10. 他殺】
自転車運転中に転倒したのか? →【2. 交通事故】
このように、転倒した時の状況によって変わり得ます。
また原死因として、死因欄に"転倒"を書くのは避けるべきです。
死因欄にはあくまで"疾病名"を書くようにしましょう。