第98回医師国家試験 G問題 問69 [98G69]

98G69
死斑について正しいのはどれか.2つ選べ.

a 出血死では減弱する.
b 一酸化炭素中毒による死亡患者では暗紫色を呈する.
c 死体が腹臥位であっても体背面に出現する.
d 死後30分~1時間で明瞭となる.
e 死後7~10時間経つと圧迫しても消えない.




正答は【a, e】です。


[a] 正しい。死斑は「毛細尾血管内の血液が重力効果によって就下し見えるようになったもの」であるため、血液そのものが体内で減少している出血死などの場合は死斑が薄く見えます。

[b] 誤り。酸素よりもCOはHbと結びつきやすく、結びついて出来たCO-Hbの色は酸化ヘモグロビンよりもより鮮やかな赤色に見えます。法医学ではこの色を一般的に"鮮紅色"と表現します。"暗紫色"は通常の死斑の色調です。

[c] 誤り。[a]の説明の通り、死斑はあくまで重力効果によって血液(赤血球)が下に降りてきて出てくるものなので、腹臥位(=うつ伏せ)の場合は体前面に出現します。うつ伏せの状態で、重力に逆らって体背面に出現することはありません。

[d] 誤り。1時間程度で死斑は出現し始めますが、明瞭化するのはおよそ6時間ほど経ってからです。

[e] 正しい。7〜10時間以上経つと死斑は固定され、指圧で消退しなくなります。



"死斑"に関する問題で、法医学っぽさを感じますね。

具体的な数字が出てくると少し身構えてしまいますが、問題文をきちんと読めばそこまで間違うことはないでしょう。


[a]では、"死斑の色調"が聞かれています。

死斑は血液が透けたものですので、体内の血液量や流動性が関係して、色調が強くなったり弱くなったりします。

死斑の色調が強い死因:急死(急性心臓死や窒息など)、薬物中毒
死斑の色調が弱い死因:出血死、貧血、血液疾患

また"溺死"では、流れによって体位が頻繁に変化し、水圧を受けることから、「急死ではあるが、死斑は明瞭でない」ということも多いです。


また[b]ではCO中毒における"死斑の色調"が問われました。

それ以外にも、特有の死斑の色調として、

鮮紅色 → CO中毒
紅色 → 青酸中毒、低体温症
緑色 → 硫化水素中毒
褐色 → メトヘモグロビン血症

このあたりは教科書的にも有名かと思います。

しっかり覚えておきましょう。



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