法医学を本格的に学ぶには

一般の方が法医学を学ぶためにはどうすればよいのでしょうか?

今回はこれについて書いていきたいと思います。


現実的に、法医学を本格的に学ぶというのは思っているほど簡単なことではありません。

実際の解剖から学ぶことも多く、座学だけに済まない点があるからです。

そうした中でも、やはり現実なところは『医学部に入学する』これが最も確実かと思います。


法医学を体系的な講義として学ぶには、現状として医学部が唯一の手段です。

医学部では座学だけでなく、法医学に関連した実習が行われるところがほとんどかと思います。

たった短い限られた時間ではありますが、それでもこれが大きいです。

確かにある歯科大学には法歯学講座があったり、一部医療系大学において講師の先生が特別に数コマ講義をされることはあるかも知れません。

しかし、そういった特殊な状況を除くと、現時点で学問として"法医学"を直接学ぶ機会は医学部以外にはありません。

法医学者の中には他にも臨床検査技師や薬剤師なども多いですが、彼らに聞いてみると、法医学に関して直接学ぶのはあくまでも『法医学に足を踏み入れてから』だそうです。

逆に言えば、法医学に足を踏み入れてから本格的に学んでいっても立派な法医学者になれるということですね。

※ちなみに法学部で医療関係の法律を学ぶ"医事法学"と、医学部で学ぶ"法医学"は全くの別物です。


とはいえ、医学部で法医学を学ぶのは、6年間のうちせいぜい1.2ヶ月の間に毎週数回ずつあるかどうか程度です。

なので、本気で学ぼうと思うと、やはり結局は法医学に足を踏み入れなければなかなか難しいと思います。(もちろんどこまで学びたいか?というのはありますが...)

臨床医学もそうですが、医学は実際の現場で学ぶことがとても多く、これが医学教育の難しさだと感じます。

ここをクリアできないと法医学者のリクルートもうまくいかない気がしています。※『法医学者になるには』もご参照ください

何とかしたいものです...。


このブログの目的は『一般の方に分かりやすく正しい法医学知識・情報を』というものです。

『法医学者になりたい人にも!』とまではいきませんが、興味がある一般の方にとっては十分な内容を心がけています。

なかなか馴染みがなく理解されづらい法医学ですが、そういった方にとってこのブログが一助になればと思っています。