今回は解剖中の法医学者の服装について書きたいと思います。
上はディスポーザブルガウンとビニールエプロンを着ますので、「それらの下の服装」という意味ですよ。
皆さんはどのようなイメージを持っていますか。
最近はドラマでもそういう細かな描写も忠実に再現していますので、もしかしたらイメージ通りかも知れませんね。
私自身は【スクラブ】を着て解剖を行っています。
救急外来の先生達が着ていたり、手術着・オペ着に似た半袖・長ズボンのものですね。
解剖では、
・手術ガウンの上にさらにビニールエプロンを着る
・手袋を3重に着ける (参考記事:解剖時の手袋)
の2点のみ違いますが、それ以外は臨床における手術時の服装とほぼ同じと言えるかも知れませんね。(ディスポキャップもかぶります)
解剖で(下に)着る服装は原則自由です。
スクラブではなく、通常のTシャツを着ている先生もいておかしくはありません。
法医学教室によっては服を支給してくれるところもあるようです。
ちなみに私がスクラブを着ているのに深い理由はないです。
単に、病院でよく寝泊まりしていた頃に買った在庫をたくさん抱えているので、今でもそれを使っているだけです...。笑
でも、丈夫で洗濯しても乾きやすいので、個人的には解剖にも向いていると思っています。
ちなみに少し古いドラマなんかで、上にディスポーザブルのガウンやエプロンではなく、綿布の(緑色の)古いタイプの手術着を着て解剖をしているシーンなんかがありましたよね。マスクもフェイスベールのようなやつで。
法医学者の先生によってはこだわりで今でも使用されている方がいらっしゃるかも知れませんが、現代の法医学ではそこは法医学者のほとんどがディスポーザブルのものを使用しているのではないかと思います。(私自身もそうです)
昨今は特に感染対策の観点から、国立感染症研究所が出している解剖の指針においても『ディスポーザブルを使用すること』が推奨されていますしね。
冒頭に書いたように、最近のドラマはこういう細かな描写がしっかりしている印象です。
監修する法医学者の先生がしっかりされているのでしょう。
リアルな法医学者のイメージをしっかりとお伝えし、ぜひ皆さんにも法医学を身近に感じてほしいですね。