ドラマではよく法医学者が死亡現場に出向く姿が描かれていますが、実際はどうなのか?
今回はこのテーマについて掘り下げていきたいと思います。
結論としては、
基本的には【死亡現場には行かない】です。
ただし極々稀ですが、警察の要請があれば実際に法医学者が自ら赴くことはあります。
詳しくみていきましょう。
法医学者は基本的に現場には赴きません。
警察がご遺体を法医学教室に運んできてくれます。
そして剖検室でご遺体を拝見し解剖を執刀します。
従ってドラマのように、法医学者が現場に行ってご遺体の様子を観察することは殆どないわけですね。
現場の様子は専ら警察の現場写真を見せてもらって確認しています。
しかし、警察の要請があり、こちらの都合が合えば現場に赴くことも数年に1度くらいはあります。
警察の車で現場に連れて行ってもらい、そこでご遺体を拝見して、法医学者としての意見を求められます。
そして改めて剖検室に運んでもらって、後は通常の流れと一緒です。
内容は詳しく書けませんが、私の場合はそんなドラマのような感じでは全然ありませんでしたけどね。
実際の現場に赴くという意味では、"警察医"の先生の方が経験されているはずです。(参考記事:「警察医とは」)
それでもドラマみたいに現場にズケズケと踏み込むようなことはないと思いますが。笑
またこの運用は、地域によって違いはあるのかも知れません。
私のいる地域では殆ど法医学者は現場に行きませんが、もっとフットワークの軽い地域もあるかも知れないです。
私自身はもっと現場でご遺体の状況を確認したり、解剖前の情報として可能ならご遺族にお話を聞きたいとは思っていますけどね...。
実際は法医学者の都合の調整もネックだと思います。
言っても日々業務に忙しいですからね。
それは警察の方々にも言えることで、現場でいろいろとお仕事をされており、法医学者がフラッと行って~みたいにスムーズに行くわけでもありません。
きちんとスケジュールを取る必要がありますから、そういう意味でもなかなか現場には行けないですね。
今後法医学者の業務が軽減できれば、法医学者の業務の幅はもっと広がっていけるのかも知れません。