法昆虫学 (シデムシ・エンマムシ)

今回は"法昆虫学"について書きたいと思います。(参考記事:「法昆虫学」)

私自身は法昆虫学の専門家ではないので、あくまで一般論としてのお話になりますが...。


「法医学における昆虫学」と言うと"ハエ・ウジ"が最も馴染みがあると思います。

しかし、今回はあえてそこを避け"シデムシ"と"エンマムシ"について書きたい!

最後までお付き合いいただければ幸いです。



"シデムシ"と"エンマムシ"はどちらもご遺体に集まってくる昆虫です。

法医学においては、"カツオブシムシ"や海辺の"スナホリムシモドキ"の次くらいに有名な気がしています。

画像については各自で検索のほどよろしくお願いします。


これの虫は、体長を測定することで死亡時期を推定できる"ハエ"とは少し意味合いが違います。

・これらの虫自体が存在することによるざっくりとした時期の推定
・(ウジに加え)これらの虫がいることで白骨化が更に促進する

という観点からの研究や報告ありました。

とは言え、法医学の文献としては限られていますので、かなり薄い情報になります...。



【シデムシ】

シデムシはコウチュウ(甲虫)の仲間で、硬い羽を持ちます。(カブトムシやクワガタ、カツオブシムシもそうです)

・ハエよりも寄ってくるのが遅い
・5日で孵化、5-7日で成虫になる (→幼虫の期間がハエより短い)
・15℃以上で活発に活動する
・白骨化するまでが早くなる

法医学的にはこういった特徴があります。

種にもよるとは思いますが、後述のエンマムシに比べるとやや湿気を好む傾向があるようですね。


【エンマムシ】

こちらもコウチュウに属します。

・どちらかと言えば乾燥を好む
・ご遺体というよりむしろ集まったウジを好んで食べる

法医学的には、エンマムシについてはこれくらいしか情報がなかったです...。



どちらも日本にもいるわけですが、個人的にはあまり見かけた印象はないです。。(気付いてないだけかも...)

シデムシの幼虫らしきものは見かけるような...。

どうやらこういった虫達はご遺体を動かした際に飛んで逃げてしまうようで、法医学教室に運ばれてきた時点ではなかなか見かけないというのはあるかも知れません。

この分野を法医学的に研究したいのなら警察官の協力は必須になってきますね。



ここまで書いていてなんですが、こういう意味でも、やはり日本における法昆虫学のメインは"ハエ"になるのかな?と改めて感じたりもます。

他の虫に比べると、

・体長を測定することで死後経過時間を推定できる(成長に段階がある)
・ご遺体に寄ってくるのが昆虫の中でもかなり早い
・解剖時にも発見できる
・ある程度法医学において知見がある

こういったメリットが"ハエ"にはありますからね。



『こういった法昆虫学の分野も、昨今の地球温暖化の影響を受けたりするのかなぁ』なんて思ったりしますがどうなんでしょうね。

今回は素人のくせに偉そうな書きぶりをしてしまいました。

法医学的に"シデムシ"や"エンマムシ"に詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ご教授いただきたいです。