第111回医師国家試験 G問題 問5 [111G5]

111G5
高齢者が自室内において心停止状態で発見された.
外因死を最も強く示唆するのはどれか.

a 吐血
b 尿失禁
c 瞳孔不同
d 角膜混濁
e 鮮紅色の皮膚




正答は【e】です。


[a] 誤り。"吐血"は消化管からの出血で認められることが多いですが、消化管出血は内因性(eg. 肝硬変→食道動脈瘤破裂など)でも外因性(eg. 頚部刺創)でも起き得るため、"外因死を強く示唆する"とはまでは言えません。

[b] 誤り。 "尿失禁"は脳出血やけいれん、窒息等で認められることが比較的多いですが、それ自体が"外因死を強く示唆する"とは言えません。

[c] 誤り。"瞳孔不同"はクッシング現象(頭蓋内圧亢進症状)として臨床で認められますが、単に「頭蓋内圧が亢進している」という所見に過ぎないため、この所見だけを以て"外因死を強く示唆する"とまでは言えません。

[d] 誤り。"角膜混濁"は早期死体現象として、死因に関係なく、死後の一定の時間が経ったご遺体に必ず認める所見です。従って、"外因死を強く示唆する"とは言えません。

[e] 正しい。"鮮紅色の皮膚"(死斑)は、主にCO中毒・青酸中毒・凍死などで認められる所見です。これら死因はどれも"外因死"に分類されるものばかりですので、この選択肢の中では"外因死を強く示唆する"と言えます。



"外因死の所見"に関する問題です。

勘のいい方は分かったかも知れませんが、この問題は何と、、、

言い回しや選択肢の並びも含め、過去問と全く一緒なんです!(同一問題:108B24)

さすがに完全一致はどうなのだ?とも思います。笑

前回出題時も正答率が9割そこそこだったようなので、あえて再出題する必要もなさそうですが...。

確かに私も大変興味深いと思いますし、出題者の肝いり・お気に入りの問題なのかも知れませんね。


全く問題が同じである以上、あまり追記することはありません。

更なる解説が気になる方は →【108B24】へ!



111G5.jpg