第107回医師国家試験 B問題 問21 [107B21]

107B21
乳幼児突然死症候群について正しいのはどれか.

a 男児よりも女児に多い.
b 生後9~18ヵ月に好発する.
c うつぶせ寝は予防法の一つである.
d 親の喫煙はリスクファクターである.
e 剖検で死亡原因が同定できることが多い.




正答は【d】です。


[a] 誤り。SIDSは女児よりも男児の方が若干多いと言われています。

[b] 誤り。SIDSの好発年齢は"生後2〜3ヵ月"とされています。

[c] 誤り。うつぶせ寝はSIDSのリスクファクターの1つです。

[d] 正しい。うつぶせ寝と同様に、両親の喫煙はSIDSのリスクファクターの1つです。

[e] 誤り。"剖検を行っても死因が同定されないこと"が診断要件となっており、原因が同定される場合はSIDSとは言いません。



SIDSに関する問題です。(類似問題:93A42, 98G67, 103G5)

基本的な定義や疫学、リスクファクターを聞く問題なのでそこまで難しくはありませんよね。


有名なリスクファクターには下記の3つがあります。

【うつ伏せ寝】:仰向け寝に比べ、うつぶせ寝ではSIDSの発症リスクが3.00倍高い。

【人工栄養】:母乳栄養に比べ、人工栄養ではSIDSの発症リスクが4.83倍高い。

【両親の喫煙】:両親が非喫煙者に比べ、両親が喫煙しているとSIDSの発症リスクが4.67倍高い。

※引用:平成9年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」


国試的には、具体的なオッズ比まで覚える必要はもちろんありません。

リスクファクターを頭の片隅にチラッと覚えておけば十分かと思います。



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