以前「法医学者の日常」という記事を書きましたが、それが割と評判が良いみたいですので、今回は「法医学者の休日はどうなのか?」という話を書いていきたいと思います。
『臨床医よりはゆっくりできる。しかし、急ぎの司法解剖や研究の兼ね合いで休日が無くなることもないことはない。』
「世の中が思っている以上にのんびりではない。」
こんなところでしょうか。
私自身は「月に1度も土日に大学に行かないという月はない」という程度ですかね。
詳しく書いていきます。
やはり忙しさを伝えるには比較対照が必要ですが、私の社会人生活は「臨床医か、法医学者か」しかありませんので、両者の比較になってしまうのですが...。
以前チラッと書いたこともありますが、やはり臨床医の頃の忙しさに比べると一段階マシです。
臨床医の頃は休日も患者さんの経過をみるために毎日病院に行ってましたから...。
それと比べると、法医学の休みは基本的に多いです。
ただそれも原則的なお話。
日々事件や事故というものは平日・休日関係なく起きますからね。
それに伴って、我々法医学者への解剖要請も決して平日に限った話ではありません。
多少の前後が許されるケースなら、週明けに解剖を回すことはあります。
それでもやはり『ご遺族の元に早くご遺体を帰してあげたい』という気持ちは法医学者皆持ってますからね。
特に小さな赤ちゃんのご遺体なんて一分一秒も早くご両親に帰してあげたいですよ。
もちろんこの気持ちは警察も同じです。
だから、できる限り週またぎは避けたいと思うところです。
都道府県によっては、同じ都道府県に複数の大学法医学教室があるところなどでは、休日を当番制にして完全な休日を作り出すことが可能なこともあります。
逆に言えば、例えばその都道府県に1つしかない法医学教室では、完全にフリーな休日を過ごすのは不可能かも知れません...。
こういう地域格差もあります。
その他、研究に休日が費やされることもあります。
こちらに関しては、法医学者だけに限った話ではなく、大学で働く人間皆に言えることだと思います。
研究によっては、一度始めるとなかなか止められないものも多くあります。
外部の実験機器を使う場合はその予約時間などもあります。
結果が「その空いた1日が影響したのではないか?」と言われると、言い返せませんからね。
なので、そういったタイムマネージメント・スケジュール能力が研究には必須ですめ。
法医学における研究分野も多岐に渡りますので、その法医学者が専門とする分野によってここはまちまちなところです。
またそういった研究についての記事も書きたいですね。
あとは休日にアルバイトを入れる先生もいると聞きます。
平日は大学で法医学者として働き、休日はバイトで働くと、、、そうやって身を粉にして働く法医学者もいるんですよね...。
頭が下がる思いです。
それ以外はゆっくりできます。
いかがでしょう。
冒頭に書いた通り、私自身はだいたい少なくとも月に1度は土日に大学へ行っている気がします。
皆さんはこのような生活の法医学者を楽だと思うか、大変だと思うか...。
「解剖等が入るかも知れない...」という精神的な要素が大きいかも知れませんね。