110G6563歳の男性.上行結腸癌の経過観察と腹部造影CT検査のため来院した.現病歴:1年前に上行結腸癌に対して右半結腸切除術を受けている.術後の経過観察のため来院し,外来診察,採血検査および腹部造影CT検査を受けた.既往歴:高血圧症に対し内服治療中.薬物アレルギーはない.生活歴:酒店経営.喫煙歴はない.飲酒は機会飲酒.家族歴:父親は心筋梗塞で死亡.母親は膵癌で死亡.検査所見:血液所見:赤血球3
110G4478歳の女性.一人暮らし.高血圧症と骨粗鬆症で月に1回診療所に独歩で通院していた.降圧薬を内服し,血圧は140/90mmHg前後で推移していた.2日前の定期受診では特に変わりはなかった.本日,患者宅を訪問した娘から電話で「母が自宅の寝室で倒れていて意識がない.すぐに来て欲しい」と往診の依頼があった.直ちに駆けつけると,患者の心拍と呼吸は停止し瞳孔は散大固定であり,身体の下になった部分の
110G19死に関連した事項について正しいのはどれか.a 死体の解剖は手術室で行わなければならない.b 系統解剖は生前に口頭で意思表示があれば行える.c 死産とは妊娠第6月以後における死児の出産である.d 臓器移植にかかわる脳死判定は主治医が1人で行う.e 臓器の移植に関する法律における臓器とは内臓と眼球とをいう.正答は【e】です。[a] 誤り。解剖は、手術室ではなく"特に設けた解剖室"で行わなけ
110G5病理解剖について適切なのはどれか.a 異状死に対して行う.b 解剖の結果を家族へ説明する.c 死亡診断書の作成に必須である.d 生命保険の書類作成に必須である.e 死亡確認から6時間以内に行わなければならない.正答は【b】です。[a] 誤り。異状死体に対して行われ得るのは、"司法解剖"(←犯罪死・変死)、"調査法解剖/新法解剖"や"行政解剖"(←非犯罪死)です。[b] 正しい。"病理解剖
110F1892歳の男性.要介護5.腰椎圧迫骨折で3年前からベッド上での生活が主となり家族の要請で訪問診療を開始した.過去1年間に誤嚥性肺炎で2度入院した.最近3ヵ月は食事の摂取が困難で著しい衰弱状態となっていた.さらに唾液の誤嚥による発熱を繰り返すため,注射での抗菌薬投与が在宅で随時実施されていた.訪問診療の担当医から家族に対しては,「衰弱が著しく脱水症もしくは肺炎などで突然命を落とす可能性が高
110F1医師の届け出義務が医師法に規定されているのはどれか.a 異状死体b 食中毒患者c 被虐待児童d 麻薬中毒患者e 医薬品による副作用正答は【a】です。[a] 正しい。"異状死体の届出"は、医師法第21条に規定されています。「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」[b] 誤り。"食中毒患者の届出"は、食品
110E59生後4ヵ月の乳児.心肺停止状態で救急車で搬入された.2時間前の授乳時は元気で,特に気になる様子はなかったという.授乳後すぐ眠ったので母親は家事をしていたが,気が付くと全身がチアノーゼを呈して反応がないため救急車を要請した.1週前の乳児健康診査では特に問題を指摘されていない.来院時は体温34.4℃で,視診では栄養状態は良好で外傷を認めなかった.心肺蘇生に全く反応せず,死亡を確認した.解剖
110E9司法解剖について誤っているのはどれか.a 根拠法は死体解剖保存法である.b 捜査上の鑑定のために行われる.c 死因が明らかであっても行われる.d 犯罪の可能性がある場合に行われる.e 裁判所の許可(鑑定処分許可状)の下に行われる.正答は【a】です。[a] 誤り。司法解剖の根拠法は"刑事訴訟法"(第168条等)です。死体解剖保存法が根拠法となる解剖種は"行政解剖"(監察医解剖)や"系統解剖
109G18*死亡診断書について正しいのはどれか.a 病院が届け出る.b 剖検所見は記載しない.c 署名と押印とが必要である.d 主治医以外は記載できない.e 死因として老衰と記載できる.正答は【e】です。[a] 誤り。死亡診断書(+死亡届)の役所への届出は、"病院"ではなく"届出義務者"が行わなければなりません。届出義務者は戸籍法に定められています。戸籍法 第87条「次の者は、その順序に従つて、
109E21監察医が行う行政解剖の目的として適切なのはどれか.a 治療の適否b 病巣部位の確認c 生前の診断の正否d 犯罪捜査上の鑑定e 犯罪に関係なく,死因が明確でない場合の死因等の究明正答は【e】です。[a] 誤り。"治療の適否"、つまり「診断の妥当性や治療効果の詳しい検証」は病理解剖の目的とするところです。もしこの"適否"が係争点となるのなら、場合によっては"司法解剖"の範疇に入るかも知れま