高齢者が自室内で心肺停止状態で発見された.外因死を最も強く示唆するのはどれか.a 吐血b 尿失禁c 瞳孔不同d 角膜混濁e 鮮紅色の死斑正答は【e】です。[a] 誤り。"吐血"は基本的に消化管出血を示唆する所見です。確かに外因性損傷でも消化管出血は当然起きますが、それだけでなく、内因性疾患(eg. 胃潰瘍、食道静脈瘤破裂、マロリーワイス症候群...)でも認める所見です。従って、この所見だけで"外因
107G20死後経過時間の推定に用いられるのはどれか.a 溢血点b 血液凝固c 瘢痕収縮d 直腸内温度e 膀胱内尿量正答は【d】です。[a] 誤り。"溢血点"は死後経過時間の推定には使えません。絞頚や非定型的縊頚、急死などで溢血点を認めることが多いです。[b] 誤り。[a]の"溢血点"と同様、血液凝固は"急死の3徴"の1つです。ですので、"死亡までの時間"の推定には使えるかも知れませんが、"死亡し
107C2260歳の男性.心肺停止状態で家族の車で運ばれてきた.家族によると,「先ほどの地震で物が落ちて来て頭に当たって倒れた」という.右側頭部に約10cmの挫創があり,頭蓋骨が陥没している.死斑と死後硬直があり,心肺停止後数時間が経過していると考えられた.警察に届けなければならないと家族に説明した.届出の根拠となる法律はどれか.a 医師法b 医療法c 刑事訴訟法d 死体解剖保存法e 災害対策基本
107B4086歳の女性.発熱と意識障害のため搬入された.搬入時の意識レベルはJCSⅡ-10.体温38.3℃.脈拍112/分.血圧122/56mmHg.呼吸数30/分.SpO2 98%(マスク4L/分酸素投与下).膿尿と末梢血白血球増多とを認め,尿路感染症に伴う敗血症と診断し緊急入院とした.高度の貧血に対して濃厚赤血球2単位を輸血するとともに,乳酸リンゲル液の急速輸液とセフェム系抗菌薬の点滴投与と
107B21乳幼児突然死症候群について正しいのはどれか.a 男児よりも女児に多い.b 生後9~18ヵ月に好発する.c うつぶせ寝は予防法の一つである.d 親の喫煙はリスクファクターである.e 剖検で死亡原因が同定できることが多い.正答は【d】です。[a] 誤り。SIDSは女児よりも男児の方が若干多いと言われています。[b] 誤り。SIDSの好発年齢は"生後2〜3ヵ月"とされています。[c] 誤り。
106H10死体検案書について正しいのはどれか.a 死因統計の資料となる.b 歯科医師も交付できる.c 死亡診断書と同時に交付できる.d 検案をした医師以外の医師も交付できる.e 検案日と検案書交付日とは同一でなくてはならない.正答は【a】です。[a] 正しい。死体検案書(死亡診断書)は、"死因統計の資料"となります、そして"人間の死亡を医学的・法律的に証明する"という意義もあります。[b] 誤り
106F7死亡診断書で記載する必要がないのはどれか.a 本籍b 性別c 生年月日d 死因の種類e 死亡したところ正答は【a】です。[a] 誤り(=記載する必要がない)。[b][c][d][e] 正しい(=記載する必要がある)。↑の死亡診断書(死体検案書)の通り、"本籍"については記載欄がなく、記載する必要はありません。死亡診断書(死体検案書)の記載項目について問うた問題です。毎日のように作成する法
106E30医師の届出義務と関連する法律の組合せで誤っているのはどれか.a 異状死体の発見 - 医師法b 結核患者の診断 - 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉c 診療所の開設 - 医療法d フグ中毒患者の診断 - 食品衛生法e 麻薬中毒者の診断 - 刑法正答は【e】です。[a] 正しい。異状死体の届出は"医師法"に規定されています。医師法 第21条「医師は、死体又は
106E13*非定型的縊頸死体の左眼の写真を次に示す.左下眼瞼の所見から,死亡時に閉塞されていなかったと判断できるのはどれか.a 外頸動脈b 浅側頭動脈c 中硬膜動脈d 椎骨動脈e 内頸動脈正答は【d】です。[a] 誤り(=閉塞されていた)。非定型的縊頚では、外頚動脈は圧迫によって閉塞され、内頚静脈が閉塞されないために、顔面のうっ血が強くなり画像のような溢血点が認められます。従って、外頚動脈は閉塞
105H25*86歳の女性.監察医制度の指定地域にある自宅で死亡した.所轄の警察署が死因について犯罪との関連性はないと判断したので,死亡診断書の作成のため,2日前に初めて往診した医師が自宅に呼ばれた.しかし,前回の診療内容からは死に至った経過を説明できないことから,死因を明らかにするためには解剖が必要と考えられた.この解剖はどれにあたるか.a 行政解剖b 系統解剖c 司法解剖d 承諾解剖e 病理解