第三永久死体

今回のテーマは"第三永久死体"です。


そもそも"永久死体"とは『特殊な条件下で起こった死体現象で、腐敗や白骨化が起こらず長期間・半永久的にその形態を保つもの』でした。

イメージしやすいものとしては、"ミイラ(化)"や"死蝋(化)"が挙げられます。(参考記事:「ミイラ化」「死蝋化」)

そして、この両者どちらでもない永久死体を"第三永久死体"と呼びます。

頻度としてはかなり珍しいのですが、いろいろなケースがあるので簡単に見ていきたいと思います。



第三永久死体:永久死体のうち、ミイラ・死蝋以外のもの。


具体的には、下記のようなご遺体があります。


『朱(赤色硫化水銀)による永久死体』:@中国
『湿地遺体[Moorleiche]』:@ヨーロッパの沼地 (参考Wikipedia:湿地遺体)
『浸軟児』:自家融解の一種 (参考記事:「浸軟」)
『石胎・化石胎児』:胎児の死後も長時間(時には数年もの間)母胎内に存在することにより起きる。
『凍結死体』:例. 凍結マンモスなど (参考Wikipedia:リューバ)
『人工的に固定された永久死体』:例. エンバーミング、プラスティネーション、学生解剖実習用ホルマリン固定など (参考Wikipedia:エンバーミングプラスティネーション)


これらが"第三永久死体"に当てはまってきます。

もちろんここに挙げていないご遺体でも『ミイラ・死蝋を除いた永久死体』であれば"第三永久死体"と呼べます。


当然ですが、どのご遺体でも「腐敗等が起こらない」というのが前提条件ですね。

化学的反応や低温によって腐敗の進行が止まっています。

そのため、その保存状態にもよりますが、各種検査(DNA型検査など)が可能な場合もあるので、崩壊した白骨などよりも情報が多いと言えるかも知れません。(参考記事:「白骨」)



冒頭にも書いたように、永久死体はミイラないし死蝋が殆どです。

今回挙げたような"第三永久死体"はかなりレアケースになります。

ただそういったご遺体に出会ったとしても、様々な方法を駆使して、できる限りの死因等の究明を行うのが法医学者の使命ですね。