法医学者の休日

以前「法医学者の日常」という記事を書きましたが、それが割と評判が良いみたいですので、今回は「法医学者の休日はどうなのか?」という話を書いていきたいと思います。『臨床医よりはゆっくりできる。しかし、急ぎの司法解剖や研究の兼ね合いで休日が無くなることもないことはない。』「世の中が思っている以上にのんびりではない。」こんなところでしょうか。私自身は「月に1度も土日に大学に行かないという月はない」という程
前回に引き続き"頭蓋底骨折"について書いていきます。前回は「骨折の部位」によって分けられる3分類について触れました。今回は『骨折の方向・仕方』による3分類について書いていきたいと思います。・縦骨折・横骨折・輪状骨折この3つを読んだ人が理解できるように書いていきたいと思います。名前からして何となくイメージしやすいかと思いますが...実はこの言葉の使い方が法医学と臨床医学で違うんです。。そこも注意しな
今回は"頭蓋底骨折"について書いていきます。特徴的な所見である"ブラックアイ"や"バトルサイン"などについても取り上げたいと思います。"頭蓋底"とは文字通り「脳を入れている頭蓋腔の底の部分に当たる箇所の骨」を指します。"頭蓋骨"は主に、この底の部分の"頭蓋底"と、ドームの部分の"頭蓋冠"(円蓋部)に分けられます。ドームの部分は、転けてぶつけたり殴られたりすることで割れる(=骨折する)のはイメージし

法医学と法人類学

時間の経った白骨が発見された際、果たしてそれは法医学者が扱うのか?それとも法人類学者が扱うのか?そもそも両者はどう違うのか?皆さんはそんなことをを考えたことがありますか。今回はそれにまつわる話を書いていきたいと思います。"法人類学"には、「人類学+法律学」という意味での"法人類学"もあるそうですが、ここでいう"法人類学"は『人類学+法医学』の"法人類学"(=司法人類学)[forensic anth

熱中症の死後診断

暑くなってくると"熱中症"が問題になってきます。夏の法医実務でも、"熱中症"で亡くなった方の解剖は当然増えます。今回はその"熱中症"を取り上げたいと思います。熱中症は『体温調節が追いつかず破綻してしまうことで高体温となり、身体が障害された状態』を言います。生きている間は、高体温かつ「暑いところにいました。」という証言が得られれば比較的容易に"熱中症"と診断できるのかも知れません。しかし、法医学では
今回は『女性の法医学者ってどれくらいいるのか?』に答えたいと思います。以前「7Kの記事」を書いた際に、法医学で働く女性について軽く触れました。近年は女性医師の活躍がめざましく、法医学も例外ではありません。しかし、「女性法医学者は実際どれくらいの人数・割合でいるのか?」というはなかなか知られていません。2012年と少し古いデータですが、それを確認していきましょう。まず結論として、2012年においては

デコルマン・剥皮創

今回は交通外傷でよく見られる"デコルマン"について書きたいと思います。和名で"剥皮創"とも言いますが、どちらも同じものを指します。(厳密には剥皮創は)臨床医学では"デグロービング損傷"と呼ばれたりします。タイヤなどの回転に巻き込まれると起きる外傷の1種なのですが、大変特徴的な所見を呈します。"デコルマン"とは...『皮膚が鈍体によって強く引っ張られるような力がかかり、皮膚は裂けずに皮下組織と筋肉の

文系の法医学

今回の記事内容は"法医学に関わる文系職"です。世間には法医学に興味があり「将来法医学に関連した職業に就きたい!」と思っている人もいます。ですが「自分は文系だから...」「文系に進もうと思っているんだけ...」と不安に思っている学生さんなども多いと聞きます。今回はそういった方のために、法医学にまつわる文系について書いてみました。ただ実際は法医学分野において"文系職"はほぼなく、そのほとんどが理系出身
皆さんドラマ"アンナチュラル"は観たことありますか。私は遅れて観た勢なのですが、面白くて今でもたまに観返しちゃったりします。同業者の間では「恥ずかしくて観れない」「細かいところが気になって観てられない」などの声もしばしば聞かれます。ああやって法医学ドラマが話題になると、一般の方や初対面の人に『私はちょうどあの○○さんと一緒の仕事(立場)なんです。』と説明が簡単に出来るので個人的には助かってるんです
今回は少し肩の力を抜いて、気軽な記事です。意外とみえてこない"法医学者の1日"について書いていきたいと思います。ドラマに出てくる法医学者は解剖しかしていないように見えますが、それ以外にも我々に課された使命というのはあります。【解剖・研究・教育】です。私自身が考える"法医学者の3本柱"です。これを日々念頭に置きながら業務に当たっています。大体の平均的な1日は以下の通りです。こちらが標準的な私の1日の