98I2445歳の男性.一人暮し.4月のある月曜日の午後2時ころ,無断欠勤を心配した会社の同僚が訪問し,ベッドにうつ伏せで死亡しているのを発見した.5年前に会社の定期健康診断で高血圧と尿糖とを指摘されたが放置していた.発見の3時間後に行われた死体検案時の死体所見:身長180cm,体重86kg.暗紫赤色死斑が死体前面に高度に発現し,指圧で退色しない.背面は蒼白である.死体硬直は全身の諸関節におよんで
98G69死斑について正しいのはどれか.2つ選べ.a 出血死では減弱する.b 一酸化炭素中毒による死亡患者では暗紫色を呈する.c 死体が腹臥位であっても体背面に出現する.d 死後30分~1時間で明瞭となる.e 死後7~10時間経つと圧迫しても消えない.正答は【a, e】です。[a] 正しい。死斑は「毛細尾血管内の血液が重力効果によって就下し見えるようになったもの」であるため、血液そのものが体内で減
98G68異状死体の届け出が必要ないのはどれか.a 生後2ヵ月の乳児が保育所で突然死した.b 医師に処方された抗菌薬を帰宅後に服用したらショック死した.c 来院時心肺停止〈CPAOA〉の患者が蘇生することなく死亡した.d 精神科に入院中の患者が作業療法中に突然死した.e 心筋梗塞で救急搬入された初診患者が1時間後に心筋梗塞で死亡した.正答は【e】です。[a] 正しい(=届け出が必要である)。問題文
98G67乳幼児突然死症候群について正しいのはどれか.a 乳幼児の突然死はすべて含まれる.b 外因死した場合も含まれる.c 開発途上国で多発している.d 仰向け寝によって減少する.e 死因となり得る病歴がある.正答は【d】です。[a] 誤り。乳幼児突然死症候群(SIDS)は、乳幼児の突然死を全て包含するわけではありません。SIDSは「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死
98E7死亡診断書で正しいのはどれか.a 死因の種類で自殺は不慮の外因死に分類される.b 医師本人が署名した場合は押印は不要である.c 最終診察後48時間目に死亡した場合は交付できる.d 記載できない部分は空欄のままにしておく.e 歯科医師は発行できない.正答は【b】です。[a] 誤り。自殺は"不慮の外因死"ではなく"その他及び負傷の外因死"に分類されています。[b] 正しい。出題当時は「医師の署
98B264歳の男性.末期癌で在宅ケアを受けている.担当医は週に2回午後に往診している.最後に担当医が往診した翌日の午前中に訪問看護師から死亡を看取ったとの連絡があった.担当医は直ちに往診し,診療中の末期癌で死亡したと判断した.担当医の取るべき処置で正しいのはどれか.a 警察へ連絡し,監察医を依頼する.b 警察へ連絡し,死体検案書を交付する.c 警察へは連絡せず,死体検案書を交付する.d 警察へは
97G72死体検案書について正しいのはどれか.a 死亡した患者を診た場合,診療継続中でなければ死体検案書を交付する.b 「死亡したとき」の欄は医師が死体を検案した時刻を記入する.c 「死亡したところ」の欄は医師が死体を検案した場所を記入する.d 「直接死因」の欄は傷病名を英語で記入してもよい.e 「直接死因」の欄は「自宅で火災に遭遇」のように具体的に記入する.正答は【a】です。[a] 正しい。もっ
97G10正しいのはどれか.a 交通事故による即死者の死亡診断書を交付した.b 遺族の希望により自殺死を病死とした.c 犯罪加害者の病状を報道機関に話した.d 麻薬中毒者を無断で警察に通報した.e 梅毒感染を同意なしで配偶者に告げた.正答は【d】 です。[a] 誤り。「自らの診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合」には当てはまらないため、"死亡診断書"は不適で
97F261歳の男性.C型肝炎から肝硬変になり加療中であった.病院から自転車で帰宅の途中転倒し,左前額部を打撲し救急搬入された.治療の甲斐なく2日後に死亡し,病理解剖で左前額部挫創,180gの左硬膜下血腫,肝硬変および3cm大の肝細胞癌が認められた.死亡診断書の「直接死因」欄に記入するのはどれか.a 左前額部挫創b 左硬膜下血腫c C型肝炎d 肝硬変e 肝細胞癌正答は【b】です。問題文の情報から死
96I1860歳の女性.前胸部痛を主訴に救急車で来院した.直ちに心電図検査を施行したところ典型的な急性心筋梗塞の所見が認められた.入院を指示した直後に心停止となり,来院1時間後に死亡した.診療録によれば患者は死亡の前日に前胸部痛で同僚のA医師の診察を受け,狭心症の疑いでHolter心電図と運動負荷心電図を予約して帰宅していた.適切な対応はどれか.a 死亡診断書を交付する.b 死体検案書を交付する.