92E1177歳の男性.一人暮らし.肺気腫による低換気状態であり,本人の希望で在宅療養をしていた.主治医が週1回往診していたが,5月のある日,往診した主治医がベッドで死亡している患者を発見した.検案時の死体所見:暗赤色の死斑が背面に弱く発現し,指圧により褪色しない.死体硬直は全身の諸関節で強い.角膜混濁はやや強く,瞳孔径は両側とも4.0mm.直腸温は22.0℃で環境温と一致している.腹部などに腐敗
92D2重症妊娠高血圧症候群のため入院治療中の妊婦.妊娠23週に子宮内胎児死亡が生じ,3日後に分娩に至った.発行すべき文書はどれか.a 出生証明書b 死産証書c 死胎検案書d 死亡診断書e 死体検案書正答は【b】です。[a] 誤り。本事例の児は子宮内で死亡してしまっているため「出生した」とは判断されません。従って、出生証明書は発行されません。[b] 正しい。やや問題文があやふやですが、妊娠12週以
92A13診断した医師に届出義務があるのはどれか.3つ選べ.a 覚せい剤中毒b ボツリヌス菌食中毒c アメーバ赤痢d 結核e 死産正答は【b, c, d】です。[a] 誤り(=診断医に届出義務はない)。覚醒剤中毒に関しては診断医の届出義務はありません。麻薬中毒(=麻薬、大麻又はあへんの慢性中毒)は、"麻薬及び向精神薬取締法"第58条の2によって届出義務が定められています。[b] 正しい(=診断医に
92A11異状死体届出の必要がないのはどれか.a 交通事故による植物状態に起因する嚥下性肺炎での死亡b 気管支炎治療のため投与した抗生物質によるショック死c 生後5ヵ月の乳児の保育所での突然死d 肺癌で入院中の患者の喀血による窒息死e 救急来院時の病態不明の心肺停止死正答は【d】です。[a] 誤り(=届け出の必要あり)。外因性のイベントが発端となった死ですので、異状死体の届け出が必要です。[b] 
90A16医師の対応として適切なのはどれか.2つ選べ.a 患者の会社の上司から強い要請があったので,本人に断ることなく病状を説明した.b 死亡した患者の家族から強い要請があったので,診療録の記載内容を書き換えた.c 電話で患者の容態を知り得たので,処方箋を交付した.d 休日に休養していたところ患者が来院したが,休日診療所に行くように直接指示した.e 診療中の患者が受診後病状が急変し20時間後に死亡
89D568歳の男性.2年前から狭心症と診断され,診療所に通院していた.休日の午後,前腕部痛が持続したので往診を求めた.当直していた他院の医師が往診し,心電図の所見から急性心筋梗塞と診断した.直ちに入院することを勧めたが患者の承諾が得られなかったので,絶対安静を指示し,なるべく早い時期に入院するようさらに勧めておいた.翌朝,その当直医が再度往診をしたが患者は既に死亡しており,死亡原因を急性心筋梗塞
89A8異状死体として医師が届け出る必要があるのはどれか.a 初診患者が救急外来到着後30分で明らかな心筋梗塞で死亡した.b 最後の診察から18時間後に自宅で癌性腹膜炎で死亡した.c 脳出血の診断で病理解剖中に頭蓋骨骨折を発見した.d 高血圧で治療中の患者が入浴中に溺水状態で発見され,脳卒中と診断したが,患者は間もなく死亡した.e 肺結核で入院中の患者が大量喀血し,窒息死亡した.正答は【c】です。
89A6死亡診断書について正しいのはどれか.2つ選べ.a 交付は医療法で定められている.b 終末期状態の心不全は原死因となる.c 自殺は死因の種類として不慮の外因死となる.d 正当な理由なく交付を拒んではならない.e 医師本人の署名があれば押印は不要である.正答は【d, e】です。[a] 誤り。死亡診断書の交付は"医療法"ではなく"医師法"に規定されています。医師法 第19条第2項「診察若しくは検
88A7医師の届出義務とそれに関する法律との組合せで正しいのはどれか.3つ選べ.a 異状死体 - 医師法b 死胎 - 死体解剖保存法c コカイン中毒者 - 覚せい剤取締法d 人工妊娠中絶 - 優生保護法e エイズ(AIDS) - 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律正答は【a, d, e】です。※現在は下記の通り法律が変更となっています。優生保護法 → 母体保護法覚せい剤取締法 → 覚醒剤取締法
87D359歳の女性.自宅で死亡しているのを発見された.死亡者は不眠のため15年前から毎日5合の日本酒を飲んでいた.5年前からアルコール性肝硬変を指摘され治療を受けていたが,日本酒をかくれて飲み続けていたらしい.死体の周囲に多量の吐血があったが,下血の痕跡は認められなかった.死体の所見:栄養は不良.死斑は軽度.全身の黄疸が目立つ.眼瞼結膜,口唇,口腔粘膜や爪床は蒼白である.血中アルコール濃度は2.